派遣はやっぱり違う…。派遣から正社員に転職する、具体的な方法

派遣はやっぱり違う…。派遣から正社員に転職する、具体的な方法のイメージ

一定期間きちんと勤め上げれば、職場が変わって人間関係も刷新できるというメリットを好んで派遣社員という働き方を選んできた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。とくに、不況が続き正社員での採用が滞っていた時期に就職活動をされた方は「ひとまず派遣社員として働きながら、正社員になれるように頑張ろう!」とキャリアをスタートされた場合もあるでしょう。

ですが、雇用がますます不安定な今、派遣社員として働くことに不安を感じている方も多いと思います。できれば正社員になりたいけれど、無理に決まっている…。そう諦めるのは尚早です。実は、派遣社員から正社員に転職するのは思っているよりもカンタン!?

今回は現在派遣社員として働いていらっしゃる方、もしくはこれから派遣社員としてキャリアをスタートするかお考え中の方に向けて、正社員に転職する方法を指南していきます。

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この記事のもくじ

派遣と正社員の違うところ

派遣社員と正社員で違うところはどこにあるかご存知でしょうか。根拠なく派遣社員のほうが、正社員よりもネガティブなイメージがあると考える方も多いのでは? 

違いをしっかり理解した上で、それぞれのメリット・デメリットを鑑みて検討材料にしてみてくださいね。

派遣社員と正社員の違いその1:雇用主

同じ企業で働いている派遣社員と正社員を比較してみると、派遣社員は派遣会社が雇用主であるのに対し、正社員の雇用主は所属している企業そのものとなります。

派遣社員と正社員の違いその2:雇用形態

同じ企業で働く派遣社員と正社員で比べると、派遣社員の雇用形態は有期雇用であるのに対し、正社員の雇用形態は原則的に無期雇用です。

派遣社員と正社員の違いその3:賃金面

賃金面では、同じ企業で働く派遣社員と正社員を比較すると、一般的には正社員のほうが責任の重い業務を任されることが多いので、必然的に賃金は高くなる傾向があります。ただし、専門性の高い職種に重視している場合にはこの限りではありません。

派遣社員と正社員の違いその4:福利厚生面

同じ企業で働いているという環境の中で、大きな違いのひとつが福利厚生の充実です。派遣社員として働いている場合でも、正社員でも、健康保険や厚生年金といった法定福利にそれほどの差は生まれないのが一般的ですが、それ以外の福利厚生(法定外福利)には大きく差が出る傾向にあります。

派遣社員は、正社員が企業から受け取る業務のスキルを上げるための教育サポートや、プライベートを充実させるためのリフレッシュ関連福利はあまり手厚くないと考えたほうが良いでしょう。

派遣でいることのメリット、デメリット

派遣社員、そして正社員として働く上での違いを理解したところで、検討材料としてとても大切となるメリット・デメリットをご紹介したいと思います。デメリットを聞くとリスクが高くマイナスの多いイメージを持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、自分の置かれた環境を鑑みると、必ずしもネガティブな要素ばかりではないケースもありますので、十分に把握しておくと良いでしょう。

派遣社員として働くメリット

派遣社員として働くメリットには以下のようなものがあります。

得意とする分野で仕事ができる

一般的な派遣社員の場合、担う業務の範囲は限られているため、自分がやりたいと思う業務だけを選んで応募することができ、苦手な分野を担当しないで済みます。

人間関係をリセットしやすい

派遣社員の場合、正社員のように昇給や昇進争いに巻き込まれることもなく、自分の業務にのみ集中できます。また職場での人間関係に嫌気が差したとしても、契約満了時期が来ればほかの企業に派遣し直してもらうことができるので人間関係のトラブルでの悩みは解消しやすいです。

フリーターよりも給与が高水準である

派遣社員の場合、同じ業務を任されるフリーター(アルバイト・パートタイム)よりも時給の設定が高いケースがほとんどです。

仕事における責任がさほど重くない

派遣社員の場合、責任を持つことは任務の一環でない場合が多いので、正社員のようにさまざまな業務において一定の責任を持たなくてはいけないケースが少ないのもメリットです。ただし、責任感を持って業務に取り組む必要がある、という意味合いでは正社員でも派遣社員でも変わりありません。

派遣社員として働くデメリット

次に派遣社員として働くデメリットをご紹介します。

雇用が安定しない

派遣社員の場合、2~3ヶ月ごとに契約更新のタイミングがあり、同じ企業の同じ部署では最長3年までしか働くことができないので長期の安定した雇用は期待できません。

昇給やボーナスは“ほぼ”ない

一般的に派遣社員は昇給やボーナスがなく、幸運にあった場合でも極めて少額です。

手柄は作れない

派遣社員は基本的に業務の補助的な立場に置かれるのが一般的なので、大きな手柄を自分だけで作ることはほぼ不可能と言えるでしょう。

休日が多くなると給与が下がってしまう

派遣社員は「時給制」で働くため、大型連休や年末年始などの出勤日が少ない月は収入がダウンしてしまいます。有給休暇の使用も可能ですが、当然日数には上限があるので計画的にやりくりしなくてはいけません。

交通費が出ないケースも

派遣社員の場合、勤務先への交通費が支給されないことがほとんどです。つまり、自宅と勤務先との距離が遠いほど、乗り換え回数が多いほど交通費がかかり、手取りが減ってしまうことになります。交通費が支給される派遣のお仕事もありますが、上限があったり、交通費の分時給は低く設定されていることが多いようです。

「なぜ派遣社員は交通費が出ないのか?」
不公平なのではないか。そう考える方もいらっしゃるかもしれません。実はこれ、不公平でもなんでもなく、「普通」なのです。と言うのも、交通費は企業の福利厚生のひとつだから。つまり本来、企業には支払う義務がないのです。
交通費に関しては、派遣社員の時給は交通費が含まれているから高い、と諦めるしかないようです。

派遣社員から正社員への転職を目指す!!

派遣社員でいることのメリット・デメリットを把握した上で、正社員を目指したいと考える方はどのような点に注意しておけばよいかをご紹介しますので参考にしてみてくださいね。

心構え

まず、正社員として働く中で何を成し遂げたいかをきちんと考えておきましょう。「正社員になりたい」という気持ちが就職活動の軸になってしまっては良い結果を生みません。

履歴書の書き方

これまで派遣社員として働いてきたことがネガティブに受け取られるような書き方は避けましょう。派遣社員として任されてきた業務はきちんと遂行してきた旨を記載し、志望動機につながるような前向きな内容にしましょう。

面接対策

派遣社員のメリットのひとつでもあった「人間関係のリセットしやすさ」は正社員にはありません。長く企業に勤めて行く中で、協調性を持って連携できる人柄であることをアピールしましょう。

実際に派遣社員→正社員になる大切なポイント


派遣社員から正社員になりたい方に知っておいてほしいポイントが4つあります。これを知らずに転職活動を進めてしまうと、思うように転職できなかったり後悔してしまう可能性もあるのでしっかり確認しておきましょう。

実は派遣社員は正社員より辞めにくい

正社員と比較して派遣社員の方が辞めやすいと思っている人も多いと思います。でも、実際はそんなことはありません。有期雇用の派遣社員は、企業にとって就業してもらう必要があるから雇われているのです。大きな責任のある役割ではありませんが、業務をスケジュール通り進めるために必要な人材として雇われているのが派遣社員なのです。そのため期間満了を待たずに退職を申し出た場合、次の更新までは働いてもらわなければ困ると派遣会社へ申し出てくる可能性が非常に高いです。

一方正社員の場合は、雇用期間の定めはないため、退職を申し出た場合は自己都合退職として扱われ、基本的にはいつでも辞めることができます。ただし、社内の状況を見てタイミングを判断したり上司への説得に時間を要することもあります。

また就業規則によって退職の意思を申し出るタイミングなどが決められているため、ルールを守って周囲に配慮しながら進める必要はあります。
よって、派遣社員の方が簡単に辞められるということはなく、正社員よりも縛りが厳しい部分もあるということは頭に入れておきましょう。

派遣社員の「引き抜き」を受けるのはよく考えること

派遣先の企業に長く勤めていると、あなたの評価も高まり派遣先から直接雇用の打診をされることがあります。いわゆる「引き抜き」です。本来であれば派遣会社を介して話をするべきですが、そうすると派遣会社へ紹介手数料を支払わなければならなくなります。金額は見込み年収の20~30%とされていて、例えばあなたを年収350万円で雇用しようと考えている場合なら、70~105万円が派遣先から派遣会社に支払われることになります。

または、採用広告を出して採用活動をしなければならず、こちらも同様に費用がかかります。企業側は少しでも安く抑えたいので、直接あなたに提案し内々で話を進めようとするのです。そのため、直接雇用の話を受けると派遣先だけが得をすることになります。そういった会社は、今後働いたとしても搾取され続ける可能性が高いので注意が必要です。提示された条件が合わない場合は自分で交渉するのではなく、プロである派遣会社を介して交渉してもらうようにしましょう。

また提示条件についても、納得がいかないケースが多いようです。例えば派遣先は派遣会社へ毎月支払いをしていますが、派遣会社からあなたに支払われている月給を知らないため、今よりも低い給料を提示されることがあるようです。

また直接雇用=正社員雇用だと考えがちですが、契約社員として雇用するケースが非常に多いです。派遣社員の場合は派遣会社があなたのことを守ってくれる立場にありますが、契約社員になると第三者の目はなくなるため、これまでよりも給料が下がったり労働条件が悪化することもあるようです。実際に働いてみないと分からない部分はありますが、条件だけでも判断がつく部分もあるので、できるだけ具体的に情報を聞き出して一旦持ち帰るようにしましょう。

また長いお付き合いのある派遣先の場合、引き抜きをすることで派遣会社との関係性が悪化して取引が終了してしまう可能性があるため、引き抜きをする会社はほとんどありません。裏を返せば、自社だけが得しようと考えて引き抜きをする会社は、あまり信用できる会社ではないような気がします。引き抜き行為自体は法律でも禁止されていませんが、今後のあなたの身を守るためにも条件は細かく確認し、前向きに考えたい場合は派遣会社に交渉をしてもらうようにしましょう。

キャリアプランを明確にしておくこと

転職活動を始める前にやっておいてほしいことがあります。それは、今後自分がどんな仕事に就き、何を成し遂げたいのかというキャリアプランを作っておくことです。これまでの経験や身につけてきたスキル、長所や短所、やりがいを感じたことや自分の性格などについて洗い出し、それらを踏まえてこれから何を大切にしていきたいか、どう生きていきたいかという視点でキャリアプランを考えてみましょう。

もちろん仕事でどんなスキルを身につけるか、どんなキャリアを積み上げるかも大切なことですが、人生において仕事は一部分でしかありません。給料が高ければ残業や休日出勤があっても良いのか、それとも仕事とプライベートを両立できるような仕事環境を重視したいのかなど、仕事を決めるためにはプライベートの要素も大きくかかわってくるはずです。これからどんな働き方をしてどんな生活を送りたいのかも一緒に考えてみましょう。

業種や職種、働き方などの希望がある程度まとまってきたら、転職サイトや転職エージェントなどに登録して転職活動を始めましょう。理想の求人に出会うためには、自分の希望を明確にしておくことが大切です。そのため転職活動を始める前に必ずキャリアプランについて考える時間を設けましょう。

転職活動は並行して行うこと

就業しながらの転職活動は少し大変かもしれませんが、必ず並行して進めるようにしましょう。これは、派遣社員に限らずすべての転職活動者にあてはまる鉄則のようなものです。転職先が決まっていないのに会社を辞めてしまうと、焦って仕事を探していると思われたり、計画性がないというような悪い印象を与えてしまう可能性が高いからです。

また転職活動には少なからずお金が必要になります。無職の状態で転職活動をしていると生活が苦しくなり、生活のためにアルバイトを始めざるを得なくなりそのままフリーターになったという人も少なくありません。無職の期間が長くなると転職もしづらくなりますし、今後のキャリアプランの実現よりも目先の収入に飛びついてしまって理想とかけはなれた結果になってしまうことも多いです。

これまで派遣社員として積み上げてきた経験やスキルを無駄にしないため、そしてキャリアプランを実現するため、やむを得ない理由がないのであれば働きながら転職活動をするようにしましょう。

具体的な派遣→正社員への最短ルート

「正社員として雇用してもらいたい」という強い意志がある場合、ゼロから転職活動を行い、正社員雇用の職を手に入れる正攻法がもっとも有効と言えるでしょう。しかし、「万全に準備をしても、やっぱり派遣社員から正社員になるのは至難の業なのでしょう?」とお思いの方のために、最短で正社員を目指せるその他の方法もご紹介します。

「紹介予定派遣」で探してみる

紹介予定派遣とは、派遣社員として働きながら、その派遣された企業で後に正社員として雇用してもらうことを目標として働く方法です。最長6ヶ月の派遣期間が満了した後に、本人、派遣先の企業、その両者が合意することで正社員として働くことができるようになります。派遣社員として働く期間はいわばマッチングの期間となり、働きぶりや周囲の正社員との関係性を見ながら決定されます。

もちろん、紹介予定派遣で派遣社員として働いてみた中で「この企業はちょっと合わない…」と感じた場合には辞退することもできるので、正社員を目指す方にとっては予め企業の文化や雰囲気を知ることのできるポジティブな方法と言えるでしょう。

転職エージェントで転職活動

次に、転職エージェントを活用して転職する方法をご紹介します。
転職エージェントは、厚生労働省からの認可を受けて職業斡旋を目的に活動をしている転職のプロ集団です。正式名称は「有料職業紹介事業所」といいます。コンサルタントはこれまでさまざまなバックグラウンドやキャリアビジョンを持った方と接してきているので、あなたの悩みや相談にもプロ目線で答えてくれる安心な存在です。なお、冠に「有料」と付いていますが、利用は無料なのでご安心ください。

派遣→正社員への転職が得意な転職サービス

転職サービスと一言で言っても、実はそれぞれ特徴があるのをご存じですか?大手の中途採用に強いところもあれば、第二新卒に特化したサービスなどもあります。数ある転職サービスの中から自分の状況にあったサービスを選ぶことが転職への近道となります。ここでは派遣社員から正社員への転職に強みをもつ2つのサービスをご紹介します。

ハタラクティブ

20代の転職に特化したサービスで、職歴がない既卒、第二新卒や正社員未経験の人を中心に就職成功実績50,000人を誇ります。業界・職種未経験歓迎の求人を多く保有していることに加えて、書類の添削や面接対策など転職に必要なサポートを丁寧に行い、キャリアコンサルタントが親身に相談にのってサポートしてくれるのが特徴です。初めての正社員応募で不安を抱えている人は、まず登録してみるといいかもしれませんね。

就職shop

転職業界大手のリクルートが運営するエージェントで、紹介する企業は訪問実績がある企業に限定しているため、求人の質が良いのが特徴です。また経歴ではなく一人ひとりの今後の可能性を見極めて採用している会社が多く、書類選考なしで面接を受けられるのも嬉しいポイントです。店舗は東京・神奈川・埼玉・大阪・京都に限定されていますが、そのエリアに在住している人はハタラクティブと併用している人も多いようです。

よくある「無期雇用派遣」って?派遣社員との違いは?

派遣元の会社から無期雇用派遣を紹介されたことがある人もいるかもしれません。無期雇用ということは正社員と同じなのか?派遣社員とは何が違うのか?などの疑問にお答えしていきます。

無期雇用派遣とは派遣社員と正社員の性質を組み合わせたような制度で、正式名称は「常用型派遣」と言います。派遣元の会社と「無期雇用派遣社員」として雇用契約を結び、派遣社員と同様に派遣先で就業するという働き方です。派遣社員と同様にさまざまな派遣先で就業します。派遣社員と似ていますが、雇用期間の定めがなく、給与が月給で支払われ、賞与があるという点が異なります。

正社員との違いは、「雇用主が派遣元の会社であること」です。派遣元の会社にもよりますが、大手の場合は賞与もあり、雇用期間も無期限という条件面から正社員とほぼ同じともいわれています。

ただし、対象は派遣元の会社との有期労働契約が通算5年以上の方などさまざまな条件付きであり、契約を打ち切られる可能性がゼロではないため注意しておきましょう。

派遣か正社員、結局どっちが得?

派遣社員にも正社員にもそれぞれメリットとデメリットがあります。それぞれのキャリアプランによる部分もありますが、どうしても派遣社員でないといけない理由がないのであれば正社員をおすすめします。
やはり派遣社員にしても無期雇用派遣にしても、正社員ではないので雇用を切られる可能性があります。また、派遣先を選べず転々とせざるを得ないため、キャリアを積み上げてキャリアアップしていくという点においては正社員のメリットが大きいと考えられます。

正社員を目指したい方は、転職エージェントをうまく活用すると転職活動がスムーズに行えます。こちらの記事では、おすすめの転職エージェント、失敗だった転職エージェントを正直にぶっちゃけて解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

どちらを選ぶにせよ、大切なのはしっかりとキャリアプランを考えて、それに従って選択できているかということです。それがなく正社員として働いていてもイメージと違ったからとすぐ辞めてしまったり、人間関係がうまくいかないからとすぐに転職してしまったりします。

逆に派遣社員でこのスキルを身につけて、正社員を目指して転職し、これをやり遂げたいというような具体的なルートが描けているのであれば、今現在派遣社員でいることにもきちんとした目的があることになります。これからどうしていきたいか、しっかり考えてから進んでいきましょう。

まとめ

派遣社員として今後働いてみようかと検討中の方も、現在派遣社員で、今後正社員を目指そうとお考えの方にとっても有益な情報であったのではないかと思います。自分にとってのメリット・デメリットをよく考えた上で働き方を選択してみてくださいね!