歩合制は有利?不利?フルコミッション(完全歩合制)は若手にはキツイです【はじめての転職Q&A】

歩合制は有利?不利?フルコミッション(完全歩合制)は若手にはキツイです【はじめての転職Q&A】のイメージ

現在転職活動をされている皆様は、求人情報に書いてある勤務条件や収入に関して、きちんと目を通して理解できていらっしゃいますか?100%理解できている、と断言できる方のほうが少ないのが現実だと思いますが、そのような状態のまま入社を決めてしまうと思わぬ落とし穴に合う危険性もあります。今回はそんな中でも「フルコミッション(完全歩合制)」の仕事について解説します。

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この記事のもくじ

歩合制の正しい意味は…

そもそも歩合制の正しい意味はご存知でしょうか。歩合制という言葉を聞くと、「頑張れば頑張った分だけ収入のプラスにつながるから、定額の給与よりもお得!」と安易に考えてしまう方もいらっしゃいますが、歩合制という言葉がついたからといって、その限りではありません。詳しくご説明します。

「歩合制」とは、個人の業績もしくは業務成果によって給与を決定する「成果報酬型」の給与体系です。勤務した時間や出社日数はその評価に加味されず、与えられた期間内でどれだけの結果を出すことができたか“だけ”で評価されるシステムなのです。

一般的な企業において給与は固定性となっていますが、昨今では基本給にプラスして個人の成績をベースに出した歩合給を加える企業が出てきました。企業によってはそれを「インセンティブ」や「報酬金」と呼ぶ場合もあります。

また一般的な会社員として勤務している方ではなくフリーランスの場合、完全な成果報酬型で勤務されている方もいらっしゃると思います。その場合には、自分の能力や仕事の量に応じて給与が変動するタイプと言えます。

固定給+歩合制で毎月もらえる給料は?

大半の日本企業では、月給制などをはじめとした固定給(一定の時間働くことでその対価として賃金が支払われる供与システムを指します)で給与を支払っていますが、その中には固定給に歩合制を組み合わせて給与を支払っている企業もあります。

「固定給+歩合制」というシステムで給与をもらう場合には、予め決まっている固定給の金額に上乗せして、業務実績などで評価された分が給与としてプラスされます。このシステムの場合には、安定した固定給を受け取りながら努力次第でプラスアルファの給与を得ることができるので非常に安心要素が多いと言えます。また努力次第で給与が増えるので、働く側のモチベーションも上がるというメリットがあります。

フルコミッション(完全歩合制)で毎月もらえる給料は?

同じ「歩合制」という言葉がついていても、「フルコミッション(完全歩合制)」という給与制度もあります。この場合、先に説明した固定給は支払われないので、自分の業績が100%給与として反映されることになります。仕事に業績がよく、成果も十分にあげられていれば思う存分給与を増やすことができますが、一方でスランプに陥ってしまったり、思うような業績が出せていないと給与そのものが受け取れない事態に陥るのです。

ただし、労働基準法によって労働者の賃金の保障がされているので、一般的な企業でこのような完全歩合制が適用されることはまずありません。フルコミッション(完全歩合制)は、個人事業主が企業と契約を結ぶケースに採用されます。

歩合制のメリット・デメリット

次に歩合制のメリット・デメリットについて解説します。ひとつずつ確実に把握しておくことで転職先の可能性が格段に増えるでしょう。

歩合制のメリット

歩合制を固定給に加えて支払う制度の企業においては、個人の成果がそのまますぐに給与に反映されるので、自分の能力や評価が金額として目に見えてよくわかります。つまり、自分の頑張り次第で収入を増やすことができるので当然生活水準の向上やプライベートの充実も可能になり、ますますやる気が出てくるでしょう。
また歩合制の場合、年功序列というシステムから外れるので、自分の社歴がたとえ短かったとしても年齢や社歴に関係なく評価されます。同年代の中でも圧倒的な高収入を得ることだって可能なのです。
そして個人で実績を作っていくためには顧客との良い関係性を築くことがマストなので、顧客との関わり方や満足度を上げる術を身につけることができるというメリットもあります。

歩合制のデメリット

一方、歩合制においては、労働時間の配分も個人の裁量に任されることになります。高い報酬を得たいと思えば、自分のプライベートな時間も切り売りして業務に当てる必要があるタイミングも生まれるでしょう。要領よく結果を出せれば高いモチベーションを持ち続けたまま高収入を得ることができますが、そうでない場合には、長時間労働と強いプレッシャーがストレスになるデメリットもあります。

シビアに個人の業績が重要視されるので、歩合制の職場の殺伐として雰囲気に馴染めないという方もいらっしゃいます。高収入でなくても安定していて雰囲気の良い職場で働きたいと考える方には不向きと言えます。

また会社員ではなくフルコミッション(完全歩合制)で働く場合には、最悪収入がゼロに近くなってしまうという危険性もあります。良いタイミングでは高収入を得られていたとしても、収入がゼロの時期が長引いてしまえば当然業務に必要となる費用を捻出するのも困難となっていくので、その後の業務にも大きく影響を与えてしまいかねません。

完全歩合制は実は違法とされる場合もあるって…?

「収入がゼロに近くなってしまう」という表現を先程デメリットのところでご説明しましたが、それには理由があります。日本法律では、「最低賃金」というものが定められており、労働をしている限り、それに見合った給与は支払う義務が(支払い側に)あるので収入がゼロという事態には陥りません。(出典:最低賃金制度とは|厚生労働省

つまり、個人として実績を出すことができなかったから給料はなし!という行為は違法なのです。

ただし、法律によって保障されているのはあくまで「最低賃金」であり、収入がゼロではないというだけで大幅に給与が減額してしまうと生活に関わってきますので、よく考えておくべきポイントです。

はじめての転職で給料が歩合制になっても大丈夫?

ここまで読んで、歩合制の良いところも悪いところもよくご理解いただけたのではないかと思います。歩合制で給与が支払われる企業だからといって敬遠する必要はまるでありません。ただし、固定給で支払われる金額の設定が低く、歩合制の要素が強い企業であればあるほど業務は過酷である可能性と結びつきます。はじめての転職において給与が歩合制である企業を選ぶこと自体には何ら問題ありませんが、そのバランスについては予めよく知った上で就職するか否かを決めることを強くおすすめします。

まとめ

歩合制で給与が支払われる企業に入って、一気に高収入になりたい!と思っていた方にとっては少し不安要素につながってしまったかも知れません。実力と精神力が伴っている方にとっては、歩合制で給与が支払われることこそ「実力に見合った給与を得られる企業」となります。しかし一方でその実力や精神力、実行力に自信がないまま歩合制の要素が強い企業に入社してしまうとすぐに辛くなってしまうでしょう。まずは自分の働きたいスタイルを明確にすることで、歩合制の企業に転職しても頑張れるかどうかがわかると思います。