離職率の正常値ってどれくらい?離職率が高いとやっぱりブラック?

(最終更新日:2018/11/5)

離職率の正常値ってどれくらい?離職率が高いとやっぱりブラック?のイメージ

新聞やテレビをはじめ、現在ではSNSなどを含むメディアを通じて「離職率」という言葉を頻繁に耳にするようになりましたよね。早朝から深夜まで勤務するような企業、各種ハラスメントが横行する企業、などを総じてブラック企業と呼ぶようになって久しいですが、離職率はそのような企業でこそ高いのでしょうか。この記事では、わかっているようで案外わかっていない「離職率」というテーマについて解説します。

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離職率ってどうやって算出するもの?

平成29年上半期に厚生労働省が調査した結果によると、現在の日本における平均離職率は8.5%であり、前年と比較すると若干下がって入るようです。ただし、これはあくまで平均値であり、業種によってその数値は大きく変動しているのが現状です。

参考:厚生労働省 平成 29年就労条件総合調査の概況

それでは、離職率とはどのように算出されているのでしょうか。
厚生労働省の算出方法は「一定期間内の退職者数」÷「1月1日現在の常用労働者数(年齢階級別は6月末現在の常用労働者数を基準とする)×100という計算式です。
これは、ただ単に全体をもとに算出するのではなく、どのようなタイミングでどのような採用活動をした結果、どのような対象者が離職しているかを算出するためのものです。

離職率はどれくらいなら正常?逆に危険な数値は?

「離職率」という言葉が独り歩きし、また厚生労働省が具体的なデータまで出していると、「離職率の高い企業はブラック企業なんだ!」と決めつけてしまう方もいらっしゃいますが、それは決して感心できません。
というのも、「企業そのものの体質が劣悪で離職率が高い」というケースばかりではないからです。離職率が低く(つまり定着率が高い)退職する人の人数が著しく少ない場合でも、その社員たちの姿勢や業績によってもその意味合いは変わります。
高いモチベーションを持って、自分のキャリアや志を全うする社員が多い企業である場合、当然離職率はあがります。一方で、「この会社を辞めても次の仕事はそうそう見つからない…」という社員が多くはびこる企業も離職率は低く保たれます。大切なのは離職率の数値そのものではなく、どのような社員が企業を離れているか、なのです。

離職率が高い企業はこんな社風の可能性が…

「離職率が高い=劣悪な企業」と決めつけるのは早計と言えますが、やはりそれなりには根拠があっての高い離職率である場合もあります。離職率が高い企業であるとわかったときに、合わせて確認することでブラック企業なのかどうかを確認できる社風のポイントをご紹介します。

休暇を取りにくい

業務のメインが週末にあることで、必ずしも土日に休暇が取れない業種もあります。そのようなケースを除き、希望する日時での休暇が著しく取得しにくかったり、そもそも休暇を取ること自体が難しいような企業文化である場合は注意が必要です。休暇は、円滑に業務を進め、心身共にバランスを保つために必要不可欠なものなので、企業として積極的に取得させるべきものです。休暇を取りにくい、という社風だと、もしかしたらそれ以外の福利厚生面でもマイナス要素が隠れているかもしれません。

人を育成する文化がない

多くのブラック企業が抱える問題がここにあります。せっかく優秀な社員を採用しても、現場で育てる文化や能力がなく、結果的にみすみす採用した人材を転職によって逃してしまったり、伸びしろをなくしてしまうのです。企業によっては、そのような文化をわかった上で、予め多めに採用しておくと言った悪質な採用活動をしているところもあるようです。

働き方に多様性がない

かつての日本では、「女性は結婚したら退職する」「出産したら退職する」ということが当然のようにまかり通っていました。しかし、平成も終わろうとしている昨今、そのような考え方そのものがナンセンスと言えるでしょう。結婚、出産、子育て、親の介護などは女性だけが抱え込む問題ではないですし、企業としてそのようなバックグラウンドを持つ社員をサポートすることが当たり前の社会へと成長しました。そのような社会成長に追いついていない社風の企業も離職を呼ぶブラック企業と言えるでしょう。

実は離職率と同じくらい気にしたい平均勤続年数

離職率の高さのみでブラック企業であるかどうかを見極めるのは早計であるとお伝えした一方で、組み合わせることでブラック企業である可能性を示唆できる社風のポイントを紹介しました。それに加え、「平均勤続年数」というポイントも合わせて確認しておくと、企業の体質がよくわかるのではないかと思います。
企業自体の年齢が若ければ当然平均勤続年数も短くなり、また新卒社員を多く採用した年が数年間あった場合も同様に平均勤続年数は下がります。しかし、そういった条件がないにもかかわらず平均勤続年数が短い企業には注意したほうが良いかもしれません。先にご説明した社風のある企業である可能性は否定できないからです。

企業側も離職率を下げる工夫をしているところも増えている

離職率が高いと、企業としての評価がさがってしまい採用したい優秀な人材を逃してしまうことにつながります。よって企業は離職率を下げるためにさまざまな工夫をしています。その一例をご紹介します。

エンドレスサマー制度

株式会社ジオコードは、「ユーモア活動」と名付け、8月の夏季休暇に加え、業績の良い社員に限り6月と7月にも約1週間の休暇を取得できる制度を導入しています。
出典:社内制度:エンドレスサマー制度|ユーモア活動|株式会社ジオコード

女性支援制度

株式会社サイバーエージェントでは、女性が出産・育児というライフイベントを通じて継続して勤務できる企業を実現するために、2014年から女性支援のための「macalon(マカロンパッケージ)」という制度を導入しています。このmacalonという言葉は、ママ(mama)がサイバーエージェント(ca)で長く(long)勤められるという意味からだそうです。女性特有の体調不良や、子供の急病の際に備えた休暇制度、在宅勤務制度などが充実しており、離職率を低く保つ工夫となっています。

気になっても、面接で離職率を聞くのは避けた方が無難

ここまで読むと、「やっぱり離職率と企業のブラック度合いは近似しているな…」と思われた方も多いでしょう。先に申し上げた通り、「離職率のみ」で企業の体質を判断してしまうことは早計ですが、確かに判断する1つの指標にはなると言えるでしょう。となると、自分が関心を持っている企業の離職率が気になりますよね。

しかしながら、面接でその企業の離職率を聞くのは社会人としてマナー違反と言えるでしょう。離職率は、企業にとっても頭を抱える問題であり、また突かれたくないポイントでもあります。そういったところを集中的に狙って質問して企業体質を暴こうという行動は、転職という本来の目的を見失っているとも言えます。
そういったことは、転職をする上で良き相談相手となる転職エージェントの担当者に聞いてみましょう。離職率の高さで有名であればそのように教えてくれるはずです。離職率をはじめとしたマイナスポイントをぼかしたまま、あなたを無理にでも入社させようとしているような意思を感じた際には、転職エージェントそのものを替えてみてもいいかもしれません。

まとめ

離職率という言葉は日々メディアを通じて耳にしますが、その正確な計算方法などまでご存知だった方は少ないのではないかと思います。自分で算出する機会はほとんどの方にとってないかもしれませんが、離職率を把握することは転職先の選ぶ上での大切なポイントとなることがおわかりいただけたのではないかと思います。